2017-06

デリーのおはなし 1 スタート - 2014.01.03 Fri

たった今着いたばかりのデリーの国際空港で、大勢の乗客が怒り文句を言っている中、数時間前の自分の行動に驚きつつ少し離れた位置でぼくは他人事のようにその光景を眺めていた。

数時間前、カトマンズの国際空港の自分の乗る空港会社のチェックインカウンターは中々進まずえらく時間がかかっていた。ぼくは機内持ち込み荷物を軽くしたい為に必要最小限のカメラ機材を持ち込み荷物にして、残りは預けるバックパックの中に仕舞っていた。

中々進まないチェックインカウンターの列に並んでいる時に、ふとやっぱりカメラ機材は出来るだけ持ち込み荷物にしようという思いになった。そして一度列から外れパッキングをし直した。

それからさらに飛行機が出発するまでには時間がかかり、結局3時間遅れで飛行機はデリーに向けて出発した。

機内サービスはすべて有料の残念な国際便は無事にデリーに到着し、預けた荷物を受け取ろうとターンテーブルで待つが一向に自分の荷物が出てこない。そしてすべての荷物が出尽くした。それでもぼくの荷物は出てこなかった。ぼくと同じような不安な顔の人たちがたくさんいる。ロスト・バゲッジ。不安な顔の人たちは段々と怒りの顔へと変わっていった。

たくさんの人たちが怒鳴り怒っている。それでも航空会社の職員は2人だけで対応している。話している内容は詳しく分からないが航空会社の職員の対応がクソだということはハッキリと分かる。

「あぁ〜あ、まいっちゃったなぁ〜」とは思うものの今のところ怒りはそれほどないぼくだが、荷物が無いと困るので自分の荷物の半券を持って職員のところへ行くが英語が話せないと分かると大きくため息をつかれ申し訳ないの欠片も無い表情で後回しにされる。

まぁ〜成るようにしかならないかな、なんて思い一旦その場を離れた。今ある荷物は持ち込み荷物にしたカメラ機材のみ。最悪、預けた荷物が出てこなかったとしても何とかなる。数時間前のカトマンズの空港での自分の行動に自分で拍手喝采。まさに不幸中の幸いだな、なんて呑気に怒り狂う人々を他人事のように眺めているそんなデリーのスタートを切るのでありました。

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デリーのおはなし 2 まぁ〜いいかぁ〜 - 2014.01.13 Mon

ぼくの仲間にはしっかりと怒れる人がいる。「まぁ〜いいかぁ〜」では済まさない。よくもまぁ〜そんなに次から次へと言葉が出てくるなぁ〜と感心してしまう。当人にとってそれが悪なら世の中的にだったり常識的にだったりということには関係なく、言葉でこてんぱんにやっつける。いま怒るところでしょっていう場面でも、多くのことを「まぁ〜いいかぁ〜」で済ませてしまうぼくとは真逆の人だ。そんな仲間を見ていると、ぼくもしっかりと怒れる大人に成りたいと思うことがある。それが今まさに「Don't touch me ! 」と言われた時であった。

航空会社の職員に荷物は翌日宿に届くようにすると言われていた。あんまり信用していなかったが一応予約しておいた宿の住所を伝えておいた。案の定、翌日に荷物は届かなかった。次の日は日曜日で航空会社に電話をしても当然のように繋がらず、営業所へ行っても当然のようにシャッターは閉まっていた。月曜日、日本語を話せる宿のオーナーが空港へ行ってきた方がいいと言ってきた。インドは日本と違うから宿で待っていてもしょうがないし、その方が話が早いというような言い方だった。空港へ行っても無いものは無いんじゃないかな?とは思うものの、インドでインド人がそう言うならその方がいいんじゃないかなとも思い、空港へ行ってみることにした。

空港にある航空会社のオフィスへ行くと対応した職員は早速態度が悪い。10分待つように言われた。ほとんど信用していなかったが、案の定10分待っても誰も来ない。その内にぼくと同じような荷物紛失届け的なものを持ったうんざりした表情の男の人が現れた。同じ飛行機で来た人なのかなと思い話しかけてみるとどうやら違うらしく、彼はなんと2週間も待っていると言う。そんなことがあるのか?と疑問に思う。すべてがコンピュータ化され荷物のタグにもバーコードがあるから本人が荷物の半券を持っている以上、その荷物がどこに行ってしまったかは把握出来るはずだ。もし把握出来ていないのだとすれば、それは既に誰かに盗まれたということになると思う。だから2週間もの時間がかかる理由が分からない。男の人がうんざりした表情になるのも当然だ。そしてこの航空会社はクソだということを再認識した。

うんざり男が来てから直ぐに職員が来た。ぼくへの対応の職員ではなく、うんざり男への対応で来たみたいだ。
さすがに少しだけ申し訳ないといった感じの対応で、滞在費なのか何なのかは定かではないがお金を渡していた。そんなやりとりを眺めていると、やっとぼく対応の職員が来た。

30分近く待ってようやく来た職員は、如何にもキャリアウーマンといった感じの雰囲気をまき散らしている女性だ。その人は「今朝、荷物を積んだトラックが出たから今日中に宿に届くはずだ。だから宿に戻れ・・・」という様なことを言ってきた。
この時点でぼくの中の怒りのバロメーターは順調に上昇中だった。

ぜんぜん信用していないがそう言われたら宿に戻るしかない。貰えないとは思うものの宿から空港までの往復のタクシー代をキャリアウーマンに請求した。キャリアウーマンは一旦奥へ消え、しばらくしてから戻ってきた。当然のように答えは「No!」だった。
向こうの言い分は、呼んでもないのに勝手に来たあなたにタクシー代を払う義務は無いという様な感じだ。まぁ確かに呼ばれていない。何故来たかといえば、宿のオーナーに空港へ行った方がいいと言われたからだ。でも、翌日に荷物を宿に届けると言っておきながら届かず、連絡も無く連絡もつかずの状態を作ったのはそっちだし、そもそもミスを犯したのはお前らだ。詫びの一つも無いのならせめてタクシー代ぐらい払え!と日本語で言ったところで当然通じず、こいつ何言っちゃってるんだ?何語?って感じで鼻で笑われる。そして、ぼくの中の怒りのバロメーターはさらに急上昇。

キャリアウーマンは宿に電話しておいたから早く宿に戻った方がいいと言ってきた。ぼくの持っている紛失届が無いと荷物を受け取れないらしいからだ。もう、まったく信用していないぼくは、その言葉はウソだと思い   「I don't believe you ! 」を連呼していた。ここでゴネている男をさっさと帰らせたいからそう言っているんだと思った。だから宿に電話しろと言った。本当に電話をしたかの確認だ。キャリアウーマンは奥に行かないと電話は無いと言う。じゃお前の携帯を使えと言ったがこれは私物だから嫌だと言う。そして、キャリアウーマンは面倒くさくなったのかどこかへ向かって歩き出した。ぼくは追いかけ、強引に向き直させようと
肩を掴んだ。

「Don't touch me ! 」と共にものすごい形相で睨みつけられる。

どんとたっちみー?ドントタッチミー!だとこのクソ女!テメェーのことなんか触りたかねぇーんだよ! &#$△%<*+@¥・・・もう日本語ですら言葉にならない。怒りのバロメーターMAX。もうこうなるとバァーカ、ばぁーかと小学校の低学年レベルの文句しか思い浮かばない。

元々そんなに怒るタイプではないからなのか?怒ることに慣れていないからなのか?怒り下手だ。「バァーカ、ばぁーか」しか頭に浮かばない
自分自身にガッカリし、そして「もう、いいや。」となり「まぁ〜いいかぁ〜」となる。

自分の不甲斐なさにヘコみつつ宿に戻ると宿のオーナーが「どこに行ってたんだ?」と言ってきた。「どこにって、あんだが空港に・・・」と言いかけたと同時にぼくのバックパックを
「届いたよ。」って出してきた。

何なんだ。何なんだよこの一日。キャリアウーマンに向かってお前のことなんか信用してないという思いを強く込めて「I don't believe you ! 」を連呼していたことを思い返して、悪いことしたなと反省。
そして、いろいろあったけど結局「まぁ〜いいかぁ〜」となるのでありました。


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デリーのおはなし 3 誰かが言ってた - 2014.01.28 Tue

「インドに行くと必ず1度はゲリになる。」と聞いたことがある。カトマンズでゲリにはしょっちゅう悩まされた。だから、おなかの方も鍛えられてデリーでは大丈夫かな?なんて思っていたけどゲリです。1度どころではなく何度でもってかんじ。まさに聞いた言葉以上の結果だ。

「その国でかかった病気はその国の薬でなければ治らない。」と聞いたことがある。何度か食べに行って大丈夫だった食堂に通っていてもその内ゲリになる。カトマンズで買った良い成績をおさめていたゲリ止めを飲んでも今イチ効かず、デリーの薬局で買ったゲリ止めを飲むと治る。カトマンズにあるものとデリーにあるものに違いは無いような気はするけど、何故だかそういう結果になる。まさに聞いた言葉通り。

「おなかが弱くてもだんだんと慣れてくる。」と聞いたことがある。異国の地では水や食べ物、気候の違いなどで特におなかが弱くなくても調子を崩したりする。おなかの弱い人なら尚更だ。それでもだんだんと慣れてくるなんていうことは、どうやらぼくには当てはまらないらしい。まったく慣れない。この言葉こそしっかりと当てはまってもらいたいというのに人生そうは甘くはないらしい。きっと隠し味にゲリの素が入っているのでしょう。

路地裏で切ない顔をした野良犬がゲリしている姿を見て、おなかの弱いぼくが太刀打ち出来るはずが無いと悟り、諦め、そして
誰かが言ってたこんな言葉を思い出す。「ゲリー」

デリーでゲリ。まさにゲリーだ。

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デリーのおはなし 4 謎の物体 - 2014.02.09 Sun

サモサという食べ物がある。おにぎりぐらいの大きさの三角錐のような形をしていて、小麦粉系の薄い生地に包まれ、中にはカレー風味のジャガイモなどが入っている。それを油で揚げたものだ。子供からお年寄りまで幅広く人気の軽食でぼくもお気に入り。

そんなサモサなどが売っている軽食屋の入り口付近には
ずっと気になっているものがある。大きな寸胴鍋の中にピンポン球くらいの丸い物体が無数に浮いているのだ。色は白と茶色。白と茶色で寸胴鍋も別れている。どの店でも見かけるわけではないが、謎の丸い物体を置いている店にはどこも白と茶色が置いてあり、鍋も別になっている。それ以外の色は無い。必ず白と茶色だ。その謎の物体が気になってしょうがない。あれは一体何なのか?

好き嫌いがある方ということもあり、あまり食べ物で冒険はしたくない。でも、気になると試したくなってしまう性分なのは自分でもどうすることもできない。

茶色の方はなんとなく煮物系のような気がする
。玉こんにゃくのように見えなくもない。白い方は煮物ではなさそうだ。豆腐のようなものかチーズ系かな?と予想。なんとなくゲリの予感が漂う。でも、試したいのです。

揚げ物2点と白と茶色を一つづつたのむと小皿にスプーンが付いてきた。煮物にスプーンが何となく不釣り合いに思える。煮汁の色が透明に近いことも気がかりだ。まぁ何にせよ、サモサ同様に軽食には違いないはずだ。とにかく食べてみないことには分からない。

先ずは茶色い方から。スプーン入刀です。やわらかい。汁が滲み出す。一口パクリ。頭の中の混乱で一瞬
何味なのかが分からない。そしてすぐにとてつもない甘さが口の中に広がった。何にせよ軽食系だとばかり思っていただけにビックリ。仮に甘いものだと思っていたとしてもこの甘さにビックリしたんじゃないかな?と思えるくらいの甘さだったから、さらにビックリ倍増です。白い方も同じように甘かった。

謎の物体は、
丸いカステラをシロップに漬け込んだような感じの甘い甘いデザートだった。思い込みとは恐ろしいものだと丸い謎の物体に教えらたような気がした。

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デリーのおはなし 5 心に残るもの - 2014.03.05 Wed

タージマハルのモデルになったといわれているフマユーン廟という世界遺産がデリーにあるらしい。地図で確認すると歩いて行くには厳しそうだ。まったく読み方が分からない駅名だが、Hajrat Nizamuddinという駅から近そうだから電車で行ってみることにした。

ニューデリー駅に行ってチケットを買って電車に乗って目的の駅まで行く。単純明快のはずだったが電車の乗り方がまったく分からない。とりあえずチケット売り場のようなところで駅名を書いたメモを見せると分かってもらえたらしく、2ルピー(4円ぐらい)でチケットを買った。でも、いくつもあるプラットホームのどれに乗ればいいのかがさっぱりだ。

ぼくは、行きたい方へ向かうボロい車両が停まるプラットホームの確認をした。長距離列車とは違い、ローカル線はボロい車両を使っているだろうと予想したからだ。めぼしい車両が停まるプラットホームへ行き、
まともそうな人に駅名を書いたメモを見せると、次来るのに乗れ的な反応だ。

インド人は適当に答える人が多い。分からないことを分からないと言いたくないのかどうなのか、とにかく何かを聞けば必ず答える。分からないとは言わない。それがインド流のやさしさなのかもしれないが、こっちにしたら結構迷惑だ。だからまともそうだと思える人に聞いてみたのだ。

鉄鉄しいという表現があるのかどうか分からないが、とにかく鉄って感じのボロい車両にはドアが無い。車内には当然電光掲示板で次の駅を表示してくれるような設備は無く、路線図すらも無い。だからこの電車が本当にぼくの行きたい駅まで行ってくれるのかは分からない。だからぼくに出来ることは無事に着くことを祈るのみ。

この電車がぼくの思っているローカル線なら5駅目で降りれば目的の駅のはずだ。電車が徐々にスピードを落としプラットフォームに入る。インド流の降り方は飛び降りられるぐらいのスピードになった時に飛び降りる。ニューデリー駅を出発してから4駅目までで学習した。だからぼくも5駅目で降りる時にはインド人がやっているように飛び降りようと思った。

5駅目のプラットホームに電車が入りスピードが落ちる。いざ飛び降りようと思っても結構なスピードだ。飛び降りた瞬間、転がっちゃう自分を想像すると少し怖じ気づくが、転ばず無事に降りることが出来た。たかがこんなことだが、こういうそこでの普通を体験出来ることがぼくは好きなんだ。

帰りはチケットを買わずに電車に乗ろうと決めていた。駅には改札というものが無く、
警備員的な人にチケットの提示を求められることも無い。たぶんほとんどの人がチケットは持っていないだろう。いわゆる無賃乗車だ。そこでの普通をしたいぼくとしては、郷に入れば郷に従えということで電車から飛び降りもするし、無賃乗車もするのだ。

ぼくにとっては非日常になるそこでの日常に触れられることが何よりも刺激的なことだと感じる。だから世界遺産のフマユーンを見に行くことが今日の目的だったが、結局心に残るものは目的ではなく過程になってしまうのだ。

                           

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せーじ

Author:せーじ
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旅跡
2017
 プノンペン・カンボジア

2016
 メキシコシティ・メキシコ

2015
 イスタンブール・トルコ

2014
 ハノイ・ベトナム

2013
 プラハ・チェコ

2012
 上海・中国

2011
 ハバナ・キューバ

2010(年末)~11(年始)
年末年始を宗谷岬でキャンプ。
宗谷岬まで真冬の北海道を
スーパーカブで走る。
北海道

2009~10
約9ヶ月、バックパックを背負ってアジアをまわる。
中国、ネパール、インド

2003~04
ハーレーダビッドソンで南北アメリカ大陸縦断、約6万kmを走る。
カナダ、アメリカ、メキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、 ニカラグア、コスタリカ、 パナマ、コロンビア、エクアドル、 ペルー、ボリビア、アルゼンチン、チリ

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